濃厚鶏白湯ラーメン(750円)@目黒・麺屋 藤しろ
2013-04-05
今日の晩飯は目黒にて。桜の咲く目黒川沿いをチャリで快走→権之助坂をヒーコラ駆け上がりまして、元「ゴリラーメン」のあった場所へ。
昨年のオープン以来なかなか評判のよいこちらの鶏白湯、今更ながら初体験してみることにしましょう。


平日21:30到着。前客2、後客4。
お店前の食券機でデフォの「鶏白湯」のボタンをポチ。
POPによるとポイント制度があるらしいんだけど、メルマガかなんかに登録するのかな?
店内はゴリラーメンの完全居抜きで、厨房を囲むL字カウンターのみ。店員さんは2名。
カウンター席に着席し、食券を出します。
待つこと5分ほどで着丼。

お、なんか丼も含めてすごくきれいなルックスですね。魅せ方わかってるなぁって感じ。
白濁のスープの上には香味油が回しかけられており、具はチャーシュー、タケノコに海苔ネギ、ナルト。

では、熱々でトロリとしたスープを一口。
・・・あ、これ旨いです!
思い浮かんだ単語は「レンジが広い鶏白湯」。
鶏白湯スープを追求する場合、深い旨味の反面、味の幅が狭まり単調になってしまう場合があることも確か。
こちらのスープは、香味油や鶏以外の素材の出汁、そしてタレと複合的に折り重ねることで、非常に奥行きと幅のある風味になっています。
ベースはペットリとした口当たりの濃厚鶏白湯。水炊き的な丸鶏の旨味が満ちた文句なしのスープ。
ここに、牛骨や牛スジのローストもブレンドしているそうで、鶏の丸い甘みが口に広がった後、豚/牛的な硬質な旨味が舌に積み重なる感じ。豚は使ってないそうなので、この風味が牛骨&牛スジローストなのかな?
骨をローストしてスープに使うのは、フレンチの技術。こちらの店主さん、ほん田だけでなくフレンチ経験もあるんですと!
フレンチ出身のラーメン屋というと、まず思い浮かぶのは「けいすけグループ」の総裁ですが、このスープを飲みつつふと思い出したのは、新大久保「優創」の豚骨醤油ラーメン。
こちら、甲殻をふんだんに使った洋スープが有名ですが、ローストした豚骨を使った豚骨醤油もなかなか美味しかったんですよね。なんかそれと似た雰囲気を感じました。
タレは、色的には醤油ダレっぽい感じだけど、醤油的な香ばしさはあまりなく、シンプルな塩気と旨味が特徴的なもの。タレには魚介系の素材も入っているそうですが、これだけ旨味を重ねても全くとっ散らからないどころかものすごい一体感。
また、口に入ってくる時に最も印象が強いのが香味油。ここらへんは油を大切にするほん田譲りの部分?
香味野菜を仕込んだ透明感ある油には、揚げネギも入っており、旨味と香ばしさをブーストする役割。
この揚げネギの香ばしさ、なんともいえないアクセントになってくれますね。
うーん、鶏白湯なんだけど豚骨醤油的なニュアンスも感じる、かなり面白くて旨いスープだと思いました。

麺は菅野製麺の角断面細ストレート。茹で具合は固め。
加水は中~低で、ザクッとした歯ごたえがこのスープの雰囲気とバッチリ合いますね。
麺自身の風味もいいし、スープとのバランス、絡みも抜群。最後までダレずに食感をキープします。

チャーシューはロース系煮豚。レア仕上げのものを提供直前にウォーマーに投入して軽く熱を加えたもの。
ムッチリとした噛み心地とホロリと崩れる食感を兼ね備えた、なかなか旨いタイプ。若干豚臭さが残るのもここでは逆に好印象。

ネギは笹打ちの九条ネギ。トロリとしたスープには絶対的な相性の良さ。
変わっていたのはメンマ。メンマというよりは、煮タケノコなんですね。メンマとは異なり弾力がなく、サクッと噛み切れるのと、筍独特の風味が面白いです。ナルトと海苔はいい彩り要員。

後半、卓上の「生姜レモン」という調味料を少々。こちら、レモン汁とおろし生姜というそのまんまのアイテムなんですが、鶏白湯+レモンというと先日の馬場「陰山」と同じですね。これがまた絶妙なサッパリ感を与えてくれると同時に、生姜のピリッとした辛さが全体の印象を引き締めてくれます。なかなかおもしろい。
麺量は140gということで、必要十分。絶品のスープを完飲してしまい、ごちそうさまでした。C/Pは十分。
トータルで見て、他ジャンルの技法と食材組合せのセンスが生んだ、絶品のハイブリッド白湯な一杯。
うーん、正直予想を軽く超えてきた旨さで、ちょっとびっくりしました。今度はつけ麺を食べてみなければ。
あ、そういえばこちら、先日飯田橋にも支店をオープンしたんですよね。あちらには醤油もあるそうなので、こっちも食べてみたいところです。
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